まとめシートの感想 経営法務2

民法の部分だけを読んでの感想2


まとめシートでは,試験対策上必要な知識を取り上げるということで,民法分野の知識を網羅的に取り上げるということはされていない。範囲が膨大な民法については,試験に出やすいところだけを重点的に押さえようということであり,それはそれでよい。しかし,その取捨選択は,必ずしも上手くいっていないように思える。

たとえば,まとめシートでは,相殺や債権譲渡について触れられていない。しかし,私が受験した範囲でも,相殺の問題が出題された記憶がある。債権譲渡だって問題が作れそうなところはたくさんある。
また,請負契約や雇用契約、委任契約については,「役務・労働力提供の契約」としてまとめて取り上げられているのに(「結果責任」という用語は意味不明だが),売買契約については取り上げられていない。なじみのある契約類型だから説明不要と考えたのであろうか。しかし,売買については,今回の民法改正で,売主の責任のところが大きく改正されており,「売買目的物の品質が契約内容に適合しなかった場合,買主は売主にどのような請求ができるか」なんて出題も予想されるところだ。

上はどのようなテーマを取り上げるかの取捨選択の話だが,取り上げたテーマについてどの程度の情報を取り上げるかという取捨選択についても同様だ。
先の売買契約の問題に正解するためには,契約適合責任の具体的内容まで押さえておく必要がある。しかし,まとめシートでは,契約不適合責任は請負のところで触れられているが,「(請負人は)契約不適合責任を負っている」と説明するにとどまっている。

民法分野は,範囲は膨大であるのに,(会社法や知財分野と比べて)出題数は少ないことから,過去問から,重点的に取り扱うべき分野(試験に出題されそうな分野)を決めることは難しいのかもしれない。しかし,「中小企業診断士試験」なのだから,中小企業が日常,出くわしそうな法律問題という観点から,出題されそうな分野は自ずと決まってきそうなものなのだが。

ブログランキングに参加しています。
 ↓ ↓ ↓
にほんブログ村 資格ブログ 中小企業診断士試験へ
にほんブログ村

関連記事
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する